昨年の末にレシピ本の電子書籍を出版しました。
その備忘録として作り方の手順を記載して残したいなと思います。
何かねー諸々と結構苦労したんですよ・・
私と同じように料理本を電子書籍で作りたいなーと思った人に
役に立ってくれたら幸いですね。

ちなみに作成した書籍は以下となります。



大まかな流れとしては
  1.本のテーマを決める
  2.レシピを考える
  3.料理を作る
  4.写真を撮る
  5.本のデザインを考える
  6.表紙のデザインを考える
  7.電子書籍の形式に出力する
  8.amazon等に出版する

     補足.悩んだ点
こんな感じかなと思います
  



1.本のテーマを考える

 ここは意外と簡単に決まるのではないかなと思います。
 テーマが決まった → これを基に本を作りたい
 の思考だと思うので。




2.レシピを考える

 テーマに則したものをとりあえず思いつくまま列挙するのがいいと思います。
 精査するのはある程度の数を出し切ってからですかね。

 ちなみに数ですが結構な量が必要になってくると思います。
 私の場合は約50個でしたが、いろんな料理本を見ていると
 80~100個ぐらいのレシピを載せているものが多いですね。
 一品を深く掘り下げるタイプの本では20~30個のものもあるようです。




3.料理を作る

 一番の難関と言えるでしょう(笑
 考えたレシピを基に実際に作っていくわけですがかなりの数を作る必要があります
 それと同時にこれらを食べて消費する必要もあるわけです。
 胃袋の大きさは決まってますからね(^^;
 消費量を上回る量を作るわけにもいかないので、自分の体調と相談しつつ無理の無い範囲で
 ある程度に日数をかけて作っていきましょう。
 ご近所さんや友人に配り回るというのも手かもしれませんね。
 ちなみに私の場合は2か月ぐらいかかったと思います(^^;




4.写真を撮る

 これは自分の感性に任されるところですね。
 私の場合は自分の中で明確な完成品のイメージがあったので、それを基に家に撮影用の
 セットを作りました。
 そして一眼レフのカメラを買い撮影に臨んだという感じです。
 
 ちなみに買ったのはこちらのカメラです。
 初心者はとりあえずこれ というのを見て飛びつきました。
 少し調べるだけで理想の写真が撮れるようになったことを考えると非常に
 使いやすいと思います。



 最近はスマートフォンのカメラ機能も優秀ですから、そちらで撮影するのもよさそうですね。




5.本のデザインを考え作成する

 こちらもセンスが問われるところですが・・・
 まったくの最初から自分で作るというのは難しいと思います。
 自分の好きな本があればそのデザインを参考にするのも一つですね。
 では実際に作成するのはどうするのか?ですが私は「canva」というサイトを
 使わせて頂きました。
 (なぜかリッチリンクが出てこない・・)


2021-01-11 (1)
 
 編集画面はこのようになっています。
 写真の貼り付けや文字の挿入、フォントの指定等がかなり直感的に操作できます。
 有料のプランを使うと使用できる図形などが増えるようですが
 無料でも十分な機能がありました。
 この直感的に使えるというのが私としてはかなりポイントが高く使いやすかったです。
 このサイトはオススメですね。




6.表紙のデザインを考え作成する 

 こちらも本のデザインと同様に「canva」で作成しました。
 本は表紙が大事だと言われていますからね。
 人目を惹き付けるようなデザインにするのがいいのではないかと思います。
 ここもセンスですね(^^;
 私のは何かこうイメージが降りてきたんですね(笑
 それで↓みたいな感じの表紙にしてみました。
hyosi


 表紙だけは別の業者さんに依頼するっていう人もいるみたいです。
 今は簡単にお仕事を依頼できる仕組みがありますからね。





7.電子書籍の形式に出力する

 「canva」で作成が終わったらpdfの形式でまず出力してダウンロードします。
 2021-01-11 (2)

 画面のメニューから簡単にダウンロードが出来ますね。
 このpdfファイルを今度は電子書籍の形式に変換する必要があります。
 その形式は「epub」というものになります。
 変換はこちらの「Romancer」というサイトで可能です。


 無料のプランだと変換するのに一か月に50M以内という容量の制限があります。
 それ以上の場合は有料のプランにする必要があります。
  ・容量を無制限にする(25,000円/月)
  ・500円を払ってその月だけ上限を150Mにする
 というものがあります。
 今回はpdfファイルのサイズが120Mになってしまったので容量が足りず500円を払って
 一か月だけ上限を150Mにして作成しました。
 

2021-01-11 (3)

 このように当月に使用可能な容量やプランが確認できます。



2021-01-11 (4)
 実際に作成する場合は上記の画面でpdfファイルを指定したり、タイトル名や本の説明
 目次を設定してから出力します。





8.amazon等に出版する

 amazonダイレクトパブリッシング という所で出版の手続きを行います。
 amazonのアカウントがある場合はそのまま使用することができます。
 無い場合は新たに作成する必要があります。
 


  ここではまず最初に
  ・出版者の個人情報
  ・収益の振込先の銀行口座
  ・税に関する情報
 を登録する必要があります。
 「税に関する情報」これが一番意味不明ですよね(^^;
 こちらのサイトがかなり丁寧に解説してくれているので参考にしました。
 国籍や報酬の受け取り人がどういう立場かというように税金に関わってくる内容ですね。
   



 あとamazonは米国企業のため関税により収益の30%が源泉徴収されるという
 問題点があります。
 これを解消するにはマイナンバーを登録する必要があります。
 「私は米国以外のTINを持っています」というのが該当するんですが
 このTINというのがマイナンバーに該当するんですね。
 こちらの登録によって関税が免除されるというわけです。
 具体的に方法はこちらにサイトに載っています。
 

 これでamazonでの初期登録が完了したので実際に本を出版していきます。
 後は
  ・出版する本の情報
  ・電子書籍のアップロード
  ・表示のアップロード
  ・価格の指定
 をそれぞれ入力して出版を依頼します。
 1日以内に審査が終わって実際に販売されます。
 販売されるとこのような感じで出てきます。
2021-01-11 (7)

 あとは売れるのを天に祈るのみです(笑

 なおamazonだけでなく他のサイトから出版するのもいいと思います。
 私は他には楽天googlebook walkerで出版しています。

 googleはamazonと同じ米国企業なので上記の手続きと同じようなものが発生します。
 楽天やbook walikerは日本企業ということもあり、面倒なのは振込先の銀行口座の
 登録ぐらいですかね。
 審査に時間はかかりますが入力自体は簡単なものでした。





補足.悩んだ点

 今回「canva」で作成して「Romancer」で変換するという手順を取りました。
 元々は「sigil」というツールを使ってhtmlをベースに作成しようと考えていたんです。
 


 こんな感じの画面でプレビューを見ながらhtmlを編集するツールで結構
 使い勝手はよかったです。
2021-01-11 (5)

 というのもhtmlで作成すると、目次のページをaタグにすることでクリックで
 各ページに直接飛んだり筆者紹介のページでブログのアドレスにリンクを張ることで
 直接クリックしてブログに飛べるためアクセスアップや利便性の向上が図れると
 思ったんですね。
 
 ですがhtmlだと電子書籍のビューワーによってデザインが安定せずに崩れることが
 多かったんです。
 小説のように文字が主体のものであれば基本的には崩れることは無く、崩れてもそこまで影響は
 無いのですが料理の本というのは見た目のデザインがかなり重要になってきます。
 そこが崩れるというのはもはや本として成立しないなと考えhtmlでの作成は断念しました。
 

 そこでデザインの崩れを無くすためには、1ページを1枚の絵として作成するしかない
 という結論に達したわけです。
 そのため「canva」でデザインを作成してpdf出力にすることで各ページは1枚の絵のような
 扱いになってくれます。
 そうするとどこで開いてもデザインの崩れが発生しなくなりました。

 結果的に目次から各ページに飛んだり、自身のブログに直接飛ぶという機能は
 泣く泣く手放すことなりました・・



 お次にそのpdfを電子書籍のepub形式に変換するのもまたややこしかったです。
 「pdf epub 変換」で検索するといろんな変換サイトが出てくるんですが
 これが軒並み使い物にならないんです。
 どのサイトも変換するとぐちゃぐちゃなデザインになってしまいます。
 pdfは1枚の絵と言いましたが、実際にはjpgやpngというわけではなく
 内部的には細かい構造に別れています。
 それをepubに変換する際にその内部的なところを網羅出来ていないため崩れるのでしょう。

 いろいろ調べたところpdfの見た目通りに変換してくるのは「Romancer」だけということで
 こちらを採用するに至ったわけです。





 このように料理を作るだけでなく、書籍の作成自体もなかなか悩むところは多かったです。
 無事に完成を迎えられた時には達成感はすごかったですね。
 
 もし「自分も電子書籍を作ってみよう、でもどうしたら?」という人がいたら
 少しでも上記が手助けになれば幸いです。

 また私は上記の方法で作成しましたが、もっといい方法をご存知の方がいらっしゃいましたら
 お教え頂けると嬉しいです。


 






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